宮城県の強制不妊手術被害者15人に 宮城県知事が漸く面会、謝罪 ベーテルブログ 優生保護法 2025/02/13

宮城県の強制不妊手術被害者15人に

宮城県知事が漸く面会、謝罪

 

ベーテルブログ 優生保護法

2025/02/13

 

<出拠>

     遠藤大志. 旧優生被害者に宮城知事が謝罪.毎日新聞、2025213日、20面.

     遠藤大志、写真も.強制不妊、「制度通知は義務」―宮城県知事、原稿ら補償徹底求め−県、独自調査に否定的.毎日新聞、2025213日、17面.

     河北新報.宮城知事、強制不妊謝罪、「塗炭の苦しみ与えた」.2025213日、1面.

     河北新報.宮城知事、強制不妊謝罪、「心にたまっていたもの出てうれしい」、被害者積年の思いあふれ涙.2025213日、27面.

     阿部育子、福留庸友撮影.知事、被害者に直接謝罪、強制不妊「県としても反省」.朝日新聞、2025213日、25面.

 

 実は簡潔な手ほどきを受けておれば造作もないことなのだが、新聞の紙面構成を知ってさえおれば、記事が何面になっているかで何かがすぐ知れる。

212日、宮城県知事は強制不妊訴訟原告を含め被害者15人に面会し謝罪した。翌日213日に、当方が購読する新聞各紙がこれを伝えた。さて、毎日の遠藤大志記者が伝える①はおそらく広域、とある時は全国版もあるか、②が宮城版と思われる。朝日の阿部育子記者の⑤は宮城版で、それ以上となっているか。地方紙の③は宮城版で、隣県域にも届くか、④は③を当事者、関係者を詳しく取材した補充版と見える。

記事内容の趣旨、文脈はほぼ同一だが、文を構成する素材(事実、取材など)に幾つかの選択の違いがあり、文調に違いがあることに気づく。優劣はないが、②は知る人に勝り、分かりやすさでは、今回は⑤かなと、有り難がる。

一つは知事謝罪は熊本が鏑矢で、7年の苦闘で一番の宮城は二番目と遅れたことは恥ずかしい、二つは宮城は手術件数が全国二位であり、1406名が手術を受けたという資料と比べ県が現有する手術記録は900人と大分少ないこと、三つ目は元知事が「優生保護審査会」を監督したこと、四つ目は元県が民間を巻き込んで官民一体の「愛の10万人県民運動」の旗振り役を務め、五つ目は障がい児の収容施設まで建設させたまでの大変な勢いがあったこと、である。

一方、この時点で重要なのは最高裁大法廷での違憲判決と新支給法の施行にあたり、六つは旧支給法で国は地方自治体の判断に委ねているが宮城県は個別通知を決して選択しようとしていなかったこと、七つに新支給法でも国は自治体に個別通知を促しているが宮城県の対応は唐突に否定したことを加える。後者2点については既にお伝えした通りで、宮城県は全員に一律通知はしないと明言したと各紙は伝えている。

前回の論点は県サイドのご都合を楯にしたもので「国がやれ」であったが、今回は謝罪という場面変化で好転することも期待できないわけではない、と被害者側のホゾを咬むようなお気持ちと同じならば、当方も昂ぶらない。八つ目は県からの通知方式で一歩先んずる山形の名前が出る一方、九つ、宮城県は市町村に情報を提供するよう依頼するなど努めていると仰るが、成果が上がるかはベーテル管理者宛の保健福祉部長名での「送付」で説明させていただいたが、具体的な指示や依頼はなく、送付意図が不明なことはHP上でお伝えした。

最後の十番目、②に拠れば{宮城県は「旧法を推進してきたことに対する県独自の実態調査」に対して、「国の指示を受けて県がやってきたことなので、県が単独で調査することは難しい。国がやるべきだ」と否定}した、ことだ。

宮城県の個別通知、優生政策の推進の自己検証、県独自の実態調査など、県政としての地方自治体が担った事実にまともに向き合っているという誠に有り難いご意向は聞こえてこない。とはいえ、確かに前進している、とゆっくり頷く。

原告、被害者、弁護団、支援団のますますのご苦労を思うと、本当にお気の毒だ。みなさまの奮闘がゆくゆく何かしら実るように育っていくよう祈るのみ。

Drソガ)

     遠藤大志. 旧優生被害者に宮城知事が謝罪.毎日新聞、2025213日、20面.

     遠藤大志、写真も.強制不妊、「制度通知は義務」―宮城県知事、原稿ら補償徹底求め−県、独自調査に否定的.毎日新聞、2025213日、17面.

     河北新報.宮城知事、強制不妊謝罪、「塗炭の苦しみ与えた」.2025213日、1面.

     河北新報.宮城知事、強制不妊謝罪、「心にたまっていたもの出てうれしい」、被害者積年の思いあふれ涙.2025213日、27面.


    
 阿部育子、福留庸友撮影.知事、被害者に直接謝罪、強制不妊「県としても反省」.朝日新聞、2025213日、25面.