優生保護法・強制不妊に関する最高裁大法廷判決
2024年7月3日以後の備忘録
ベーテルブログ 優生保護法
2024/08/28
間接には裏金問題が表舞台となり、3年もの間不評だった首相の退陣表明が発表された。その宰相が直接に重い腰を上げて、優生保護法・強制不妊国賠訴訟の原告達に面会し謝罪することになった7月3日の優生保護法―強制不妊国家賠償訴訟の最高裁大法廷判決を受けての、急転直下の好ましい変化であるはずの慌ただしい動きは、しかし国会全体の謝罪までを求める人々にとっては、恐れられていたことであるが、退陣表明によって優生保護法の国会審議は吹き飛ぶのではという危惧の念がささやかれていたが、その通りとなっているのでは。首相退陣後は自民党総裁選の喧噪が世を覆い、裏金問題すら消滅したようだ。代わりに何故か軍事増強と絡めた憲法改悪の雑音がうるさく、人迷惑だ。優生保護法・強制不妊のためのスクラップもこのままでは放置されかねないので、日付順にしたためておきたい。
主題優生保護法では8月2日には法務大臣の訴訟団への面会と謝罪が行われ、最高裁判決前には存在が殆ど忘れられていたような超党派議員連盟に、優生保護法全国弁護団は原告に一律1500万円を要望している。それから3週間あまり、8月21日には政府も1500万円の支払いで調整に入ったとある。中絶者への補償や被害者の配偶者、相続人への補償問題も取り沙汰され始めたらしい。
当方には穿鑿もしようがないが、法案(何の)の前文に「おわび」を入れることが検討されているらしい。このお詫びは、国会全体に投げかけられ、両院が国会として謝罪するという儀式も含むなのだろうか。首相や法務大臣が手を握り謝罪したという儀礼が、既に国の謝罪となったとされているのではないか、と心配する。立法府の国会は国会会議場で議員全員が頭を下げるというものではないのだろうか。法理として、国家・国会謝罪というのはありえるのか。ないのであろうが、国会の謝罪とは、原告者への1500万円の賠償の理由責任を説明することなのだろうか。2018年1月30日から2024年7月3日まで、歴代の首相は会食は欠かさず、外遊も殊更多忙で、直轄大臣・長官は全く暇がなく、当該官僚達はおそらく民法の除斥期間を楯にして法務官僚頼みで所轄日程表にも入れず、目が醒めるような最高裁大法廷判決まで、報道の幾つかが当初から指摘していたことであるが、徒らに放置し、判決が出たら決めようとしたことは、換言すれば自らの無作為どころではなく、不作為とした。超党派議員連盟のご奮闘に期待するよりない。
当方は全国優生連の8月2日の、また日弁連の8月9日のシンポジウムを聴講できた。分けても、原告団会長の北三郎さんのお話には改めて感銘した。いずれ、日弁連の紙面に字面が公開されると聞いているので楽しみにしている。彼の語調が伝える、どうしようもない空しさ、儚さに同感だ。文面で伝わるものなのかどうかを己の目で改めて確かめてみたい。耳では聞こえた。
なお、本稿のスクラップには8月29日の日本産婦人科学会の着床前診断のニュースまでを含めた。いよいよ、次代のテーマとなる。 (Drソガ)
1.石渡和実.優生保護法最高裁弁論から、「否定されるいのち」を問う(6月26日記).JD日本障害者協議会、https://www.ddnet.gr.jp/news/journal/2024/07.html、2024年7月29日、2−3ページ.
2.川野由起.障害者差別根絶へ推進本部−政府、年末めどに行動計画.朝日新聞、2024年7月30日、27面.
3.朝日新聞.強制不妊で和解、最高裁判決後初−東京、77歳の女性.2024年8月1日、29面.
4.河北新報.強制不妊補償、本人1500万円−弁護団、超党派議連に要望.2024年8月2日、22面.
5.毎日新聞.超党派議連PT:強制不妊、一律1500万円要望−原告弁護団、配偶者は500万円.2024年8月2日、23面.
6.公明新聞.旧優生保護法巡り党PT:強制不妊、一人も残らず救済を−当事者や弁護団の声聴く、新たな補償−配偶者、中絶手術被害者も対象に.2024年8月2日、1面.
7.河北新報.法相、早期和解を約束、強制不妊−原告に謝罪.2024年8月3日、2面.
8.三上健太郎、写真も.強制不妊原告に謝罪、法相−偏見根絶へ取り組み.毎日新聞。2024年8月3日、4面.
9.DPI日本会議.8月2日(金)旧優生保護法原告の方に対して木積法務大臣から直接の謝罪がありました.2024年8月6 日、https://www.dpi-japan.org/
10.河北新報.強制不妊被害者、早期救済を訴え−超党派議連会合で.2024年8月8日、3面.
11.河北新報.強制不妊1500万円で和解−政府、原告側に支払い調整.2024年8月21日、2面.
12.塩田彩.強制不妊、12件和解へ−旧優生保護法巡る国賠訴訟.毎日新聞、2024年8月21日、4面.
13.しんぶん赤旗電子版.共産党「旧優生保護法問題の全面解決」推進本部初会合―被害者らの思い・要望を聞く、党として謝罪表明.2024年8月21日、1面.
14.川野由起.強制不妊、国が和解案−本人に最大150万円、基本合意へ.朝日新聞、2024年8月22日、24面.
15.河北新報.強制不妊−相続人も補償、議連検討−法案に「おわび」明記.2024年8月24日、2面.
16.朝日新聞.強制不妊の補償、配偶者・相続人も、議連方針−中絶は議論継続.2024年8月24日、33面.
17.塩田彩、神足俊輔.旧優生補償、相続人も−超党派議連検討、法案前文「おわび」.毎日新聞、2024年8月24日、4面.
18.河北新報社説.障害者差別禁止法、貧困の解消につなげて.2016年4月30日、5面.
19.黒川晋史.なるほドリ:Q−障害がある人への「合理的配慮」って?、A−臨機応変に要望へ対応、「機会の平等」実現狙う.毎日新聞、2024年8月23日、3面.
20.室月淳. 出生前診断の現場から−専門医が考える「命の選択」−.集英社、2020年2月22日、860円.
21.日本産婦人科学会 旧優生保護法検討委員会.旧優生保護法に関するアンケート調査の結果および日本産婦人科学学会からの宣言(福岡宣言).2022年8月7日.
22.寺町六花、渡辺諒.日産婦、着床前診断−58件承認、新ルール・23年−目のがんなど.(付帯解説:議論の材料不十分).毎日新聞、2024年8月29日、1面.
23.河北新報.着床前診断58件承認、対象拡大、目のがん患者も.2024年8月29日、3面.
★ なお、①出生前診断、②着床前診断、③新型出生前診断等については、一般知識としてはWikipediaご参照がよいでしょう
1.石渡和実.優生保護法最高裁弁論から、「否定されるいのち」を問う(6月26日記).JD日本障害者協議会、https://www.ddnet.gr.jp/news/journal/2024/07.html、2024年7月29日、2−3ページ.
2.川野由起.障害者差別根絶へ推進本部−政府、年末めどに行動計画.朝日新聞、2024年7月30日、27面.
3.朝日新聞.強制不妊で和解、最高裁判決後初−東京、77歳の女性.2024年8月1日、29面.
4.河北新報.強制不妊補償、本人1500万円−弁護団、超党派議連に要望.2024年8月2日、22面.
5.毎日新聞.超党派議連PT:強制不妊、一律1500万円要望−原告弁護団、配偶者は500万円.2024年8月2日、23面.
6.公明新聞.旧優生保護法巡り党PT:強制不妊、一人も残らず救済を−当事者や弁護団の声聴く、新たな補償−配偶者、中絶手術被害者も対象に.2024年8月2日、1面.
7.河北新報.法相、早期和解を約束、強制不妊−原告に謝罪.2024年8月3日、2面.
8.三上健太郎、写真も.強制不妊原告に謝罪、法相−偏見根絶へ取り組み.毎日新聞。2024年8月3日、4面.
9.DPI日本会議.8月2日(金)旧優生保護法原告の方に対して木積法務大臣から直接の謝罪がありました.2024年8月6 日、https://www.dpi-japan.org/
10.河北新報.強制不妊被害者、早期救済を訴え−超党派議連会合で.2024年8月8日、3面.
11.河北新報.強制不妊1500万円で和解−政府、原告側に支払い調整.2024年8月21日、2面.
12.塩田彩.強制不妊、12件和解へ−旧優生保護法巡る国賠訴訟.毎日新聞、2024年8月21日、4面.
13.しんぶん赤旗電子版.共産党「旧優生保護法問題の全面解決」推進本部初会合―被害者らの思い・要望を聞く、党として謝罪表明.2024年8月21日、1面.
14.川野由起.強制不妊、国が和解案−本人に最大150万円、基本合意へ.朝日新聞、2024年8月22日、24面.
15.河北新報.強制不妊−相続人も補償、議連検討−法案に「おわび」明記.2024年8月24日、2面.
16.朝日新聞.強制不妊の補償、配偶者・相続人も、議連方針−中絶は議論継続.2024年8月24日、33面.
17.塩田彩、神足俊輔.旧優生補償、相続人も−超党派議連検討、法案前文「おわび」.毎日新聞、2024年8月24日、4面.
18.河北新報社説.障害者差別禁止法、貧困の解消につなげて.2016年4月30日、5面.
19.黒川晋史.なるほドリ:Q−障害がある人への「合理的配慮」って?、A−臨機応変に要望へ対応、「機会の平等」実現狙う.毎日新聞、2024年8月23日、3面.
20.室月淳. 出生前診断の現場から−専門医が考える「命の選択」−.集英社、2020年2月22日、860円.
21.日本産婦人科学会 旧優生保護法検討委員会.旧優生保護法に関するアンケート調査の結果および日本産婦人科学学会からの宣言(福岡宣言).2022年8月7日.
22.寺町六花、渡辺諒.日産婦、着床前診断−58件承認、新ルール・23年−目のがんなど.(付帯解説:議論の材料不十分).毎日新聞、2024年8月29日、1面.
23.河北新報.着床前診断58件承認、対象拡大、目のがん患者も.2024年8月29日、3面.