強制不妊訴訟の最高裁大法廷の争点は除斥期間のみか?

2024/06/28

強制不妊訴訟の最高裁大法廷の争点は除斥期間のみか?

 

ベーテルブログ 優生保護法関連

 

    河北新報−編集部・石川遥一郎.強制不妊訴訟争点の除斥期間、性被害など救済の妨げに−専門家指摘、「硬直的な判断 最高裁は柔軟な解釈を」.2024627日、25

 

2018130日に仙台で始まった強制不妊訴訟は最高裁大法廷での一括審議に煮詰まり、529日の原告側と国側の弁論を終えて、いよいよ73日に結審となる。その間も静岡、福岡の原告勝訴が続き、また625日には東京地裁での西スミ子さんの裁判も報じられている。強制不妊訴訟については除斥期間こそが最高裁の大法廷の争点となっているが、その折も折、627日の河北新聞編集部は、強制不妊訴訟とは異なる性被害の別例を取材し、旧民法による除斥期間の規定(2020年施行の改正民法で廃止されたがこの場合性被害者を救済できない代物であった、いやあることを伝えている。だが、2020年改正以前の事件は旧法適用のままであり、硬直した判断による除斥期間が適用されれば、平たくは時効のままに、訴えることができない方々のありとあらゆる社会的な個別的被害は訴えられることができないままとなる。

優生保護法による強制不妊手術は、国と県をあげて粛々と推進した国家犯罪であるので、除斥規程だけの解釈の変更だけで悪法全体が免罪されることにはならない。除斥期間は適用されないとする大法廷の判決となることは当然であるにしても、障がい児者、遺伝性疾患等がこの世に存在させてはならないとしてリプロダクティヴィティに身体侵襲まで加えた事実に、大法廷は言及しなければならない。生存権を守り、基本的人権を保護するための新たな厳重な配慮にこそ大法廷は言及しなければならない。それは、いずれ出生前診断含めた現代優生学が直面する問題や将来課題としても浮かび上がってくるものとなり、将来に渡って伝え続けられる判決となければならない。 

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