2021/05/21
今週のこの一言ありがとう5/2021(6)
幸福度世界一フィンランド ㊤
−意味ある人生送れていますか−
國枝すみれ.毎日新聞.2021年5月21日.
そのまま「ありがとう」には滅多に出逢えない。
今日、ありがとうと言ってよい記事に出逢えた。「世界一幸せな」シリーズである。国連は三月に「世界幸福度2021年版」を発表しているが、フィンランドが4年連続で幸福度ランキング一位だったそうな。
たまたま、手元に「スウェーデンー福祉大国の深層」(近藤浩一著.2021年2月5日発行.水曜社、東京)がある。このサブタイトルがまた具体的で、「金持ち支配の影と真実」だ。そうなのだろうと思いながら、まだめくるまでに至らない。スウェーデン、福祉大国が連なる北欧四国の一つだが、世界一幸せな子どもの国だったよなと思う。その本の見出しが、教育教育レヴェルとともに下がる子どものモラルとか、日本では考えられないほど低い医師の技術力とか、これからも続く一握りの金持ちによる世界支配とか、の容赦ない見出しで踊る。正直にはこの著者は大丈夫かといぶかるほど、だが。これを日本の現状に当てはめたら、目も当てられないものすごい表現になるでしょうね。
はてさて、フィンランド。私には悔いの残る国だ。オランダに在留中にフィンランドに向かえなかった。一方、その数年前、デンマークのコーペンハーゲンで開かれ国際てんかん学会の際に、たまたまコーペンハーゲン行きのフェリー(列車ごと移動)の中で乗り合わせたフィンランドのご家族とお話しする機会に恵まれた。フィンランドは税金40%以上、賃金の半分も手元に残らないから人生面白くないという愚痴話で、だから旅を楽しむのよ、だったのをよく覚えている。
さて、有り難い話。毎日新聞社がどのようなデータベースから、この哲学者、フランク・マルテラを選んだのかは分からないが、よい取材だ。心理学が基礎なのだろう。彼らが好む説明、脳内幸せ感は「快楽物質ドーパミン」の放出状態(アメリカ)なので、フィンランドの皆が求める「幸せ」とは異なる。幸福とは結局単なる感情に過ぎない。だから、幸せになろうとするのではなく人生を意味あるものにしようとすることで、全体としての国民の幸福感が高まる。
よくは分からないが、意味のある人生を手に入れたとき(?)、幸福は副産物のようについてくるらしい。この一言が有り難いし、詩的表現として受け取りたい。
㊦が楽しみだ。 (Drソガ)