ベーテル花ブログ 31 オダマキ

2021/05/21 

 

ベーテル花ブログ

31 オダマキ

 

  水仙やチューリップが終わり、バラの花芽が膨らむ頃合いにオダマキが爆発してくる。20年前にもならん、宮沢賢治記念館の裏庭でそれこそ大きなオダマキの株にとらわれた。いわゆるミヤマオダマキの一種だ。この在来の青紫と白の花柄は勿論素敵なのだが、オダマキに気をとられてしまうのは、いわゆるセイヨウオダマキと呼ばれるものがとても魅力的であったことによる。それぞれ個性豊かな容姿を持つ。花色、花型、花形、いずれもが派手すぎるか、妖艶である。あたかもファッションショーを楽しんでいるような気分となる。

視点を替えれば、チューリップとてそう言えるのだが、ファッションデザインで言えば、オダマキはスーツでも、ドレスでもワンピースでも、そのまま持ってこれそうな気がする。素人デザイナーでもかなり派手な芸能人の衣装を夢想できる。ハットはどうにでもなりそうだが、ならば靴はとなれば、その形状と色合いが難しい。そう楽しみながらも、この忙しさではオダマキの分類には遂に至れない。その名も覚えきれそうもないので、最初から諦めているか。

さて、オダマキは沢山の種を残す。しっかり採取すると、大変な数となる。大収穫となる。黒光りする小さな黒い種は少々脂ぎっているが、袋を振れば小気味よく乾いていて、さらさら、ザーザーと鳴る。採種するが、これまで発芽率の実験をしたことはない。だから、お気に入りを買い求めては、いつの間にかついに失くしている。何年も過ぎて、花屋でこれもあった、それもあったとなる。丁寧に扱えよと抗議されるが、ああ、暇があればねと答えるよりない。

 オダマキの根はなかなかの宿根だ。短命な多年草と言われて戸惑うほどたくましい。プランターを片付けるときには行く先なしとなる。オダマキも広い庭という裕福を要求する。

そんなオダマキは、とはいえ、とんでもないほどのど根性花でもある。                      (Drソガ)