2021/05/17
ベーテル花ブログ
30 勿忘、草(ワスレナグサ)
名が佳い花も、数えれば相当あるだろう。これも当方好み。古語からきて、わすれることなかれ、と聞けば、そうだと。
原語はドイツ語にあり。当方は知らないが、中世ドイツ(中世って、余りに長くないですか、中世のいつ?)の悲恋伝説にちなむそうで、そのままVergissmeinnichtとなった。分解する。Vergiss-mein-nichtだ。オランダ語で言えば、Vergeet me nietだ。英語なら皆さんも分かる。Forget me notだ。通常文法では、Don’t forget me。ところが英語でも、そのままForget-me-not。つまり、通ずるのだろう。
ワスレナグサは決して慎ましい草ではない。勢い強く伸びてきて、花の可愛らしさもあったものではないほどに伸びきる。そして、あっという間に葉も茎もそれこそ大げさに枯れ果てる。こうなってしまうと採種家としては紫も青も、この場合ピンクの花であったかも分からなくなる。まして草取りの際には、種は裾に付くので好かれない。ピンクの花を買い求めたのが一昨年。その種一粒が一株、奇跡的に残っているのを見つけた。
この花を愛でるには、むしろど根性シリーズがよい。栄養もない、水もあたらない日があろう、そんな悪条件にひっついて、ただ一本、小さく低く、しっかり立つ。花が葉に負けない別の姿を見せる。
(Drソガ)