2021/05/04
ベーテル花ブログ
26 水芭蕉
とおに咲き始めていることは便りがあったので、今年はみずみずしいのにお目にかかれないかとかなしく向かった。違わず、大沼に白地の斑紋はもはや見当たらない。遅すぎたかと恐れながらも近づけば、少なくないほどにひっそりとしっかりと咲いている。嬉しい。
花との出会いは、七夕さまのお伝えに近い。
さて、沼原はザゼンソウの葉が繁茂する緑地だ。ザゼンソウのいわゆる花はその装いのまま、じっと座っている。水面に鎮かに居られるのだが、見方によってはさもありなんの風情で、意に反してひどく目立つ。合掌すれば、恰も当方も行く先を告げられているような気になる。むしろ小さな地蔵に化身し、花央にそっと飛び込めたらよい。まだ生きているので、花を傷つけない軽さの木彫りとなりたい。木彫りをそっと内奥に置かせていただくには、先達に巡り会えて手ほどきを受ける偶然に恵まれた場合に限られる。 (Drソガ)