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ベーテル花ブログ 21 スズランとスズラン水仙

2021/04/21(2)

ベーテル花ブログ

21 スズランとスズラン水仙

 

 珍しいスノードロップがあるなと手にしたのが、実は正真正銘のスノードロップだったという落としを目的としてはいない。

 ベーテル花壇では、今年もスズラン水仙が勢いよく咲いている。白なので目立たないが、球根は頑丈なので、環境さえ良ければ毎年違わず、しっかり咲いてくれる。小さな緑のフリルで飾った少女達がうち揃って今にも鈴を鳴らし合い始めそうな、春の朝だ。

自慢したいが、ベーテル花壇の良さは、もちろん手入れだ。特に土作り。精魂込めて創っている。よくもこんな狭い敷地で病院を名乗っているかと思うけれども、狭かろうと園芸はただただ大変な人手がかかる。加えて、狭いから多くがプランターだ。四月ともなれば水遣りが欠かせない。怠れば、一発で終わりだ。

 さてスズラン水仙が、スノードロップではなくスノーフレイクであるのを知って驚いた。言い伝えそのままの私たちの思い込みは信用ならない、いい例えだ。だから、何でも、ほんとはそうではなかった、と先ずは素直に驚こう。そこから私たちは利口になりはじめる。とはいえ、利口になることだけを目的にしてはならない。そのまま受け容れてきた言い伝えや信じ込みは知識や教養の素地なのだから。侮ることはもちろん責めたててはならない。信じ込ませたきた背景を紐解く力の養生こそが知の原点だから。より正しい知識として新しい世代へ言い伝えられる展開がキーだ。徒らな新しさのみの鞍替え知識一辺倒が如何に醜いことになるかは、皆が承知のことだ。この場合、スノードロップ間違いでも何の不都合も生じない。

 さて、スズランだ。本当に可愛い。実に強靱な花だ。谷間のヒメユリと呼ばれることも知らなかったのは、当方が単なる日本人に過ぎないことの哀れな証しとなる。世界はアルプスほど高く、深い。だから、谷間のヒメユリの呼び習わしかが、どの国の言い伝えかを知りたい。そんなゆとりがほしい。            (Drソガ)