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今週のこの記事一つ:番外2021-⑤(5) コロナ禍で環境一変;障害者作業所運営苦しく -製品販売と受託作業減:新たな販路模索-

2021/02/25

 

今週のこの記事一つ:番外2021-⑤(5)

 

コロナ禍で環境一変;障害者作業所運営苦しく

-製品販売と受託作業減:新たな販路模索-

河北新報. みやぎ、特別報道室:読者とともに.2021年2月21.

 

 障害児者施設の実情が新聞記事になることがひどく珍しいわけではないが、COVID-19災禍と関連して障害児者施設の「深刻」な実情はもっともっと記事になって紙面に登場してよい。だから、この記事を採用した編集局の努力に感謝したい。記事のとおりだろうと察しがつく。

障害者が作業所に通って手にすることができる給金は月に1万円になっていればまだいいほうだ。その1万円も手に入らなくなっている。この記事は施設の運営がキツくなっていると読めてしまうのが欠点だ。施設の存続の問題ともなりかねない事態だが、記事の核心は就労支援事業所では「工賃」と呼ばれる一人一人に給付される月給がなくなったことにある。COVID-19災禍のため、それ以前は何とか手にした工賃が出ないのだ。公認作業所の運営自体は公費で賄われているので、極貧低給料であろうとも職員は何とか生きていける。問題は利用者の給金だ。工賃とは呼ばない生活介護、生活支援事業所では、おそらく事業所利用者を関わらせる「商売」で何とか帳尻を合わせ、「利益」なるものを捻出せんと奮闘している。どの子も月1万にはしてあげたいねと頑張っている。この1万円は、利用者にとっては唯一自由に使える、世間で言う、いわば小遣いだ。利用者は1万円だけは自由に使えているかもしれない。通勤費などの通うにかかる毎日の諸々の諸経費はすべて親持ちだ。

記者の目を惹いた大野田はぎの苑は、COVID-19災禍の中で、利益に繋がる箱おり作業を開拓・拡大したが、パン造りや喫茶部門が落ち込んでしまったという。一方、利用者一人一人の給金計算はまた違うので、稼ぎに与かれない重度者の事態は深刻に違いない。このため、おそらくしっかり企画されているであろうが、後追い記事の連講が望まれる。ならば、生活介護事業所をはじめとした障害児者施設のCOVID-19災禍の実態へ迫り得よう。」

 新聞紙面は権力政治や実権経済を知らせることこそが役割だといわんばかりに、これでもかこれでもかと権力情勢を伝える。日刊という時宜と警告なる新聞が担うべき途轍もない最大特性からそうなるのであろうが(スポーツ記事面が恰も象徴だ)、毎日の話題にはならない生活情報にも、日刊性を求めたような警報的定期性があったらと願う。だから、後追い記事連講だ。

 てんかんケア仙台三位一体の盟友、ハンス・バーガー協会の作業所、グループホームの利用者達の工賃も軒並み下がっている。どんな商売をしたら工賃を上げられるのか、それぞれの事業所が試行錯誤のため奮闘している。失敗すれば給金も工賃もパアで、稼ぎ口の工房の運営費もかさばるので、ひいては事業体の運営にも響いてくる。そうなると、利用者一人ひとり、かけがいのないそれぞれが方々が何を楽しみに励めばよいか、方途を失う。わたしにも小遣いがあるのよという自由すら奪われる。               (Drソガ)