2021/02/10
ベーテル花ブログ
10 ぼけ(木瓜)の寒花、咲く
十数年は通ったなじみの花屋が閉店したことがこんなに不自由でさびしいことになるとは思わなかった。今の時期はあの崩れかけたビニールハウスの中が、蘭やシンビジウムの花々で噎せ返るようにかぐわしいだろう。陽向の日ならば極めてラッキーだ。折々にそこで買い求めた盆栽なる花木が残る。梅、花桃、そして今回の木瓜だ。とある年、うち捨てられた庭に大きな薄黄色の実一つを見つけた。その形を昔人は瓜のようと名付けた。手に抱けばとてもよい香りが漂ってくるではないか。そのまま香料蝋燭のように玄関の棚に置いておいた。腐るのが心配だったが、2月近くもそのまんまだった。
花屋から運んだ幾つかがベーテルにも残った。何の手入れもしてあげていないので申し訳ないが、枯れないように水遣りさえ怠らなければ毎年咲いてくれる。咲けば、ありがとうの合掌となる。花つぼみが膨らんできたので陽の射す窓辺に置いた。雪がちらつく夜に外に置けば、雪を被ってくれる。一夜ならば酷く痛みはしない。その一葉と、ほぼ満開の一葉が今回のフォトだ。
「ぼけ」の名が気になる。GreenSnapによれば、英語では日本のマルメロ(quince)だそうな。瓜の形に似た実なので、木になる瓜、木瓜と呼ばれたそうな。もけ、もっけが発音で、訛ってボケとなったそうな。ホントッ! 写真のボケは寒木瓜となる。五弁花と実の断面をモチーフとした「木瓜紋」は日本五大紋の一つで、その象徴として織田信長の家紋、五つ木瓜(いつつもっこう)があるとのこと。花言葉には先駆者、指導者があるとのこと。これは、ちっとも知らなかった方がよかったな。当方は花言葉集の中にある「妖精の輝き」をみつけ、こちらに飛びつく。 (Drソガ)
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