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今週のこの1冊2021-02(6) 福島原発事故10年後のゆくえと新たな課題 佐藤政男

この本は著作意図がメディア主調にはもちろん、利権商売世情にも負けない。是非手にとってください。この1冊をお勧めしながら7冊目となったが、当方は紹介本の真髄をお伝えしたいと解説しているわけでもなく、また毛頭その気もない。こんな素敵な一冊がありますよ、目通しあれかしなのだ。

 このフクシマ10年後は、後書きにあるように相当に約めた内容らしい。肉厚本の方がむしろ好ましいのだが。クエスチョン体裁の目次を示したので、どんなアンサーが書かれているか、楽しみにお読み下さい。これからも目次の紹介がその本の真髄を伝えるかも知れません。なお、筆者は相馬出身の薬学者で、徳島大学教授を経て、日本毒性学会生体金属部会長とのこと。

 3.112011がもうすぐ10年だ。急ぐ。       (Drソガ)

 

<目次>

はじめに

第1章 福島が普通の生活を送れる時(東京電力原発事故のあとに) 

   1 「復興は道なかば」どころか

   2 長期化によって増える原発事故による震災関連死

   3 震災関連死の要因(どのような過程で関連死に至るのか)

   4 原発事故後、福島県で増加する自死者

第2章 一問一答で考える「どうなっている、どうする、私にも関係あるの?」

1 多くの地域の避難指示が解除され、復興は大きく進んだので、福島県はもう見通しが立ったのではないか

2 避難指示区域はどんな分類があり、どんな町が対象か?

3 福島原発において、放射線汚染により住民が被曝する可能性はもうないのか?

4 どれぐらいの住民が自分の故郷・家に住んでいるのか?

5 福島原発事故を終わらせるために、21.5兆円の廃炉の費用は今後増えることはないのか?

6 廃炉費用は、通常運転後の原発と事故発生後の原発でどれぐらい違うのか?

7 全国の原子力発電はどうなっているのか?

8 福島県の米は汚染されているか?

第3章 住民にとってはふるさとの復興

   1 分断されていく住民

2 実態に合わない国・福島県発表の避難者数

3 避難者数を知る意義

第4章 今、福島で起こっていること

1 放射性汚染水の海洋投入性分計画

2 空間放射線監視モニタリングポスト撤去計画

3 「避難指示解除と賠償打ち切り組み合わせ」の進行

第5章 今も、そしてこれからも、全国で起こり得ること

 1 放射性汚染度を全国で再利用する計画

 2 緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク(SPEED1)を使わない決定

第6章 国と東京電力の施策が住民の復興に及ぼす影響

 1 東京電力は中立的な原子力損害賠償紛争解決センターの仲介案を6年間拒否し続けた

 2 原子力規制委員会の独立性に疑問符

第7章 住民はどのように思いを表現・行動しているか

1 国と東京電力を断罪した生業裁判

2 「平穏生活権」を認めた生業裁判

第8章 住民は福島県の真の役割発揮を望む

 1 福島県民の声の力が福島第2原発の廃炉方向へ

2 廃炉決定は全国原発ゼロへの道の発信?

3 福島県はどうしようとしているのか

4 県知事が避難県民を訴える・国が先導

5 今後どうするのか

おわりに