6 雪笹竹
新年は佳いことは希っておらず悪いことが起きないようにとのみ祈っている。本日この時刻、COVID-19感染者は7548人と最大とを数えた。そんな今日、仙台の大切な叔父が入院した。北国の愛しい義母も酸素吸入を受けている。
今年は珍しく昔のように寒波が襲い、仙台に比べればグッと少ない岩沼にも雪が舞い積もる。もちろん、こんな花の名前はないが平安人が名付けた素敵な名を被らされているはずだ。敷地の山際はその昔、人が住んでいたので竹が生えている。ごく少量の雪が岩沼にも昨年から既に何回か舞い降りて、竹を折れんばかりにしならせてきた。これまで数え切れないほど同じ風景を観てきたはずだが、陽光にでも当たれば竹の笹葉は雪を勢いよく振り払うのに気づいた。まるで歌舞伎役者だ。小半時も観ている余裕があれば動画以上に此の様を表現できよう。気づけば、雪花全てを散らせ終えている。元のように何事もなかったように凜と立ち、笹葉は風を心地よさそうに楽しんでいる。当方は残念がる。
冬に満開となる竹の花は全身を白花に着飾る子どもの花遊びのようだ。子どもたちはどんな遊びもすぐに飽きてやめてしまうので、跳ね飛ばした足許は無数の花弁で真っ白になる。その上には悪戯気に幾つもの小さな足跡が無次元に残るが、たちどころに消えてしまう。 (Drソガ)