瀬戸内寂聴さん 数え100歳に
―戦争のような凶運、二度とあるまいと
孤独も苦しみも、永遠には続きませんー
(瀬戸内寂聴談、上原佳久文:朝日新聞、2020年12月31日(木)、21頁)
朝日新聞に毎月第2木曜に連載されていたエッセー「寂聴―残された日々」のまとめとなろうか、大晦日12月31日の紙面に寂聴との電話インタビュウがあった。2021年初回の「今週のこの記事一つ」に選ぶ。
戦争を凌ぐような災禍がまた自分(瀬戸内晴美)に降りかかってくるとはと、寂聴が新型コロナ災禍に驚くさまの記事となっている。寂聴にとっての戦争とは日本が仕掛けた太平洋戦争のことだ。まだまだ元気だった数年前、特別機密法や安保法制の強行採決が行われたころ、「戦争はみな人殺し」と表現し相応の存在感を示していた。新型コロナの行く末に通ぜぬ者どおし日本が主役の太平洋戦争のような凶運におののくが、生きながらう運にあれば孤独も苦しみも永遠には続きませんと、もちろん寂聴節。「法話といっても、私の場合は悩みのある人を慰めるだけ」と仰る。優しい。
ベーテルは寂聴日めくり暦を外来、病棟、スタッフルーム、駅前に置いて、どなたも日めくり法話を楽しんでいる。スタッフ、また時折の入院患者さんが毎日まいにち、欠かさずめくり続けている。これも辛くはないありきたりの、とはいえ修行。
ベーテルのスタッフは、朝一番に、仕事を始める前に、必ず日めくりカレンダーの前に立ち、今日のお一言に目を通し、独唱してから現場に向かう。怠らず毎日やれば、その日一日、きっといい呼吸となる。
(Drソガ)