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今週のこの1冊202012−04 地球に住めなくなる日−「気候崩壊」の避けられない真実−

今週のこの120201204

地球に住めなくなる日−「気候崩壊」の避けられない真実−

 

David Wallace-Wells著、藤井留美訳:2020年3月15日発行.286頁、NHK出版、東京. 1900.

 

 1028日に求めた本だが3月15日発売の第一刷だ。タイトルの割に売れないか、NHK出版だから大量印刷か。気候崩壊の了解はは医者の当方も関わることはないので門外漢だ。原著は2017年からのニューヨーク・マガジンに寄せた特集記事を2019年(?月かな)に出版されたもので、時を経ず和訳された。今回のCOVID-19災禍は出版後だから、その後著者がCOVID-19をどう取り扱っているかが知りたくなる。

本題。本書第2部―気候変動による様々な影響、の第14章は、「グローバル化する感染症」(130136頁)なるタイトルだ。いわゆる北極圏の永久凍土が溶けてゾンビ病原体(炭疽菌?)が復活するという、噂に過ぎないあの話しだ。アラスカで見つかり、1918年に大流行して5億人が感染し、5千万人が死亡したインフルエンザ、つまりスペイン風邪のウイルスの残党、への警告を行っている。当時は江戸でも、失礼、東京でも船で(本当に正しい?)持ち込まれ、45万人(人口の0.8%)が亡くなった。なお、スペイン風邪の死者の肺からのウイルス培養は成功していない。

地球温暖化でグレタ・トウンベリが登場したのが2018820日なので、いわゆる専門学者ではない視点での本書の登場は機が熟していた。著者はグレタを目を見張る活躍という言葉で絶賛し、若い世代に期待している。ブログ「ありがとうこの一言」の平野啓一郎も気候変動で人類は「サバイブできるかどうか」というフェーズに入っていると認識している。一般読者が見聞きできるもっと早いものに2006524日上映開始の映画、アメリカ元副大統領アル・ゴアの「不都合な真実」もある。

第1部       気候崩壊の連鎖が起きている 初章第1−5章

第2部       気候変動によるさまざまな影響 6−17

第3部       気候変動の見えない脅威    1823

第4部       これからの地球を変えるために 終章第24